FACTORY TOUR

Minase Factory
自社で作る、自社で加工する、手間を惜しまない、を誇りに。

優れた時計工場は、世界中に存在します。ミナセは、数多くの熟練工を擁しているという意味で、それら工場の一つであると自負しています。スイス時計産業の聖地といわれるジュウ渓谷同様、雪に閉ざされた秋田県・皆瀬の地は、人々に熟練工として不可欠な忍耐力を与えました。そしてもうひとつ、母体が工具メーカーであるということです。実現したい意匠、造形、構造があり、工具や治具がないなら、そこから自分たちで作ります。私たちミナセにとって、可能な限り自社で部品を作るというのは、当たり前の選択だったのです。


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ミナセが得意とする外装の下地処理が、ザラツ研磨です。30年以上にわたって高級時計のケースなどにザラツ研磨を施してきた経験は、ミナセの時計の外装に、歪みのない面と、切り立ったエッジを与えることが出来ました。ケースのほとんどの面に加えて、文字盤のインデックスにさえザラツ研磨を与えるメーカーは、世界でも希と考えています。手間はかかりますが、優れた仕上げを得るには不可欠なのです。

ザラツ研磨を加える作業。回転する板にペーパーを取り付け、ケースやインデックスなどを磨く作業です。私たちがこだわっているのは、できるだけ外装から歪みを取ること。そのためケースはなんども鍛造して、ピンホール(細かい穴)が出ないよう素材を整えます。その後に、ザラツ研磨を施して、面を完全に平滑にしていきます。普通、ザラツ研磨を施す面は、上からバフで磨いて完成となります。
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ミナセの特徴のひとつが、文字盤を這うように取り付けられた針にあります。文字盤と針の間隔は0.3mm、針同士の間隔も0.3mm、ガラスと針の間隔は0.5mmに追い込んでいます。わずかに狂っただけでも、見栄えが変わってしまうだけでなく、最悪の場合は時計の止まりの原因となってしまいます。設計図通りの間隔を与えるため、職人たちはひとつひとつの針の曲がりを調整し、丁寧に取り付けていきます。

HiZ DIVIDO(ディヴァイド)のブレスレットコマを製造する工程。一般的にブレスレットのコマは、板材をプレスし、磨いたものです。しかし私たちは、より精密なブレスレットを追求して、新しい製法に取り組みました。コマはワイヤ放電加工機でひとコマずつ金属塊から抜いていきます。その後、コマ同士の間隔を適切に揃えるため、職人がひとつひとつコマを削り込んでいきます。求められる精度基準は、100分の1ミリ単位。この単位まで精度を追い込むことで、高級時計ならではのブレスレットを触れたときの精緻なタッチを実現しました。かつての超高級なブレスレットに見られた製法を、今なお、ミナセは守り続けています。
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ミナセが独自にカスタマイズしたムーブメント。ETA製ムーブメントは、ミナセの職人により、全面にペルラージュ仕上げが施されます。真珠模様ことペルラージュ仕上げは一般的にコストを考えて仕上げを最小限に抑えられます。しかしミナセでは、見た目の美しさの追求とケースの磨きとのコントラストを活かすべく、可能な限りペルラージュを加えています。ペルラージュは表面を削って仕上げを与えるため、部品にもともと施されていた銀メッキがはがれてしまいます。そこでミナセは、ペルラージュを施した部品を再メッキしています。再仕上げを施したことが分からないほどの、丁寧な仕上がりを目指しています。

ミナセが得意とするケースの鍛造。もともとはケースを安く作るための製法とされる場合もありますが、ミナセではプレス回数を何度も重ね、素材を硬くし、耐久性を高めています。実際、何度も鍛造を加えた素材は、同じ素材であっても硬くなるのです。ミナセの場合、ケースの原型を作るために加える鍛造は、最低でも10回。鍛造を加えるたびに、ケースに加わったひずみを取るため、1100度以上の温度で、20分から25分焼き鈍しを加えます。かけられる手間を惜しまないのが私たちの矜持です。
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